
先日、神戸薬科大学 薬用植物園の沖先生にお願いして、薬草染めをさせていただきました。
蘇芳(スオウ)と藍をご準備くださいました。写真は今回染めたストールです。なかなかいいでしょう♪
藍は抗菌や虫よけ効果があるので、日本の夏にピッタリな染物。
赤い色の蘇芳は、身体を温めてくれます。
蘇芳のシルクストール、これからの季節に重宝してくれそうです。
時代劇でお殿様が病気になると、頭に紫の鉢巻きをして寝ている様子を見たことがあると思いますが、あれも紫根の薬用効果を利用したもの。
昔の人は、植物の薬用効果を暮らしの中に上手に取り入れていたんですね。

綿やシルク、麻や化繊と混合のもの。
布によっても染まり具合が違うので、布選びから真剣です。
染まり具合を確認しながら、グラデーションを付けたり模様を付けたり。

蘇芳を煮出していただいていたもの。藍は2週間ほど前からご準備下さっていて、私たちは染めるだけという楽ちんな染物体験!本当に有り難いです。
ちょっとした時間の加減などで、同じ蘇芳でも出来上がりは皆さんそれぞれに似合う色になっていました。
男の子の色、女の子の色?

ちょっと写真が暗いですが、こちらは前回染めさせていただいた、紫根、クチナシ、アカネとクチナシMixで染めたもの。
クチナシは黄色ですが、銅(だったか?)を入れると緑になります。
真ん中のはクチナシでも緑色、右のものがクチナシそのままの黄色です。
この真ん中は綿のストールなのですが、うっかり酵素系洗剤で洗って色が落ちてしまったので、藍で染め直しました。
皆さんも草木染のものは、中性洗剤で洗ってくださいね。
昔は赤ちゃんの産着を、男の子はクチナシ、女の子はアカネで染めていました。
それは、赤ちゃんが袖口などを吸うことで、植物の薬効成分も吸うことになり、男の子はクチナシ、女の子にはアカネの成分が良いからだそうです。

男の子と女の子の色が決まってるのはオカシイ、という意見も時々見かけますが、ちゃんと理由があってのこと。
それに小さな赤ちゃんでも、男の子の方が動きが激しいので、鎮める青系のものを着せるのかもな、とも思いました。
もちろん個人差はあるものの、女の子はやっぱりピンク系が似あいますもんね。
大きくなって個性が出てきたら、好きな色を着させてあげればいい訳ですし、昔の人の知恵に倣いたいものです。
現代では、こうした草木染の産着を着せてあげることは難しいですし、植物自体が減ってしまって絶滅危惧種のものもありますが、伝統的な知恵を生かすことで、自然環境も守られていけばと思います。
以前お邪魔した時には、貴重な日本綿の種を頂きました。植える場所がなくて今はまだそのままですが、ちゃんと植えて保存に貢献できたらいいなと思います。
それにしても、染物は楽しい(準備をして下さっているから気軽なのもあります、先生方に感謝!)。皆さん、またお誘いしますね。