
南アフリカに行ってみて強く感じたことは、日本の自然が多様でとても美しいことと、日本の伝統的な木工などの技術って素晴らしいな、ということです。
プラットボスの木の小屋を見ていると、見た目には素敵に作ってあるのですが、耐久性って全く考えられていないのだな、ということが分かります。
今は日本でも大差ない所もあるかもしれませんが。。。でも日本だったら、絶対に壁になっている板の表面がガサガサのまま、ってことはありえないと思います。
日本人は家の中では靴を履かないので、肌に当たる部分の手触りというのがとても大事になってくるのでしょう。それが色々な面での「きめの細やかさ」に現れているのだろうと思います。木目のことも、皮膚や心配りに関しても、同じ「きめ」という音が当てはめてられているのが頷けます。
日本のこうした感覚や伝統文化が好きだし、大切に残していきたい。。
そんなことを南アフリカに行くことで改めて想っていたら、素敵な試みに出会えました。三畳の和空間「器プロジェクト」です。
器の写真などは、建築設計室 Morizo-さんのブログをご覧ください。
http://morizo2016.exblog.jp/i6/
日本の伝統技術で造られた和空間「器プロジェクト」
昨年末、プレイベントで「器」を拝見してから、京都、そして今月初旬には四天王寺さんでイベントが開催され、
私は今回の四天王寺さんでの、ミニ襖パネル作り体験と、手漉き襖紙の職人さんのお話を聞かせて頂きました。
襖紙を貼る糊も、昔ながらのでんぷんをお鍋で炊きながら手作りしているものだそうです。
ミニ襖の木枠も、釘を使わない伝統的な工法のもの。
木枠に下地の和紙と、襖紙をサイズに合わせて切って貼ります。子供の頃は障子の張替えをしたことがありますから、何だか懐かしくて楽しいひと時でした。
普通はなかなか入ることの出来ないお庭も堪能させて頂きました。

今の新しいマンションなどの襖の中身は発泡スチロールで、基本的に使い捨ての発想なのだそうです。寂しい限りです。
様々な日本文化が途絶えそうになっていますが、手漉き襖紙が出来るのも今や5軒しか残っていないそうです。
木と紙で主に出来ていた日本の家。気候に合わせて素材が湿度を調整してくれたり、用途や気候に合わせてレイアウトも変更できる、とてもフレキシブルな空間「和室」。
襖や障子は破れたら張り替えられる、とてもエコなものですし、手に触れる木枠や畳も自然のもの。
身近な、日々手に触れるものが愛着を持てるものなら、自然とその元となる木々、襖紙の原料の植物、などなどから私たちを取り巻く環境、全てに目を向けることが出来るのではないかなと思います。
Morizo-の内田さんが「絶滅危惧種」とおっしゃる職人さんと、地球環境が変わり生きていくのが難しい植物の「絶滅危惧種」
どちらも似ているように感じています。
私はそんな観点から、日本の伝統を伝えていきたいという「器プロジェクト」を応援させて頂ければと、こうしてブログに書いています。
集合写真を撮っているのは、このご縁を下さったフォトグラファーのKimidoriさん。
器プロジェクトのパンフレットなどの写真や、下記の動画も光の捉え方が美しいです。
いつかプロフィール写真を撮って頂きたい。